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【経営】コワーキングスペース

コワーキングスペースを経営・運営しようとしている方が押さえるべきポイントは大別して「人」、「金」、「場所」の3つがあります。これらは相関し合っているので、同時並行して考えていくようにしましょう。ここでは、この3つのポイントについて順を追って説明します。

ポイント1:「人」

コワーキングスペースの特徴は「人(コミュニティ)」にあります。コワーキングスペースは「1人で仕事をしているのが寂しいから、みんなで一緒に仕事をしよう」という考えから始まりました。ですから、「一緒に仕事や勉強をする」というのが大切なポイントになります。

ただ、「一緒に」といっても、それぞれ別の仕事をしていることがほとんどだと思います。そのため、同じ空間で作業をすること、挨拶や軽い雑談といった簡単な会話のできるコミュニティを演出することがポイントになります。まずは運営者側が無理なくできる範囲で、気さくに声をかけたり明るく振る舞ったりするとよいでしょう。

そうして運営者が利用者とコミュニケーションを取っていき、利用者それぞれのスキルや特徴を把握した先に、利用者同士のビジネスマッチングを促すことができるようになるでしょう。ビジネスマッチングというのは「ホームページを作りたいんだけど……」といった相談を受けたら、ホームページの制作ができる利用者を紹介すればよいのです。最初のうちは運営者がハブとなって機能し、後々経営や運営が軌道に乗ってきたタイミングでコミュニティマネージャーを雇うのもよいかもしれません。

良質なコミュニティを作るためにはルールが必要

良質なコミュニティを作っていくには、ルールを決めておくことが大切です。例えば、電話を禁止するといったものです。1日中、営業の電話をしている方がいれば、他の利用者はそのコワーキングスペースの利用をやめようか考えてしまいますよね。多くの方が満足して利用できる環境にするためには、ルールを整えておくことが重要なのです。自分が利用者の立場の視点に立ったときに、不快に感じるものはルールを決めて排除しておくに越したことはないでしょう。

ルールを決めたら、ルールを守らない方に対して注意する必要があります。その際には注意する利用者にも周りにいる利用者にも不快感を抱かせない言い回しで伝える必要があるので、骨の折れることではあると思います。また、従業員を雇ったときには、その従業員が注意できるようにする必要があります。これも大変なことではありますが、良質なコミュニティを作り上げるためには必要となるポイントでしょう。

ポイント2:「金」

続いては「金」に関してです。コワーキングスペースを経営や運営を続けていくためには、黒字、せめて赤字ではない状態にしておく必要があります。コワーキングスペースを運営すると儲からないという話はよく耳にしますが、実際は人・金・場所やタイミング、ブランディング次第でしょう。自分なりに黒字経営していく方法を考えてみてください。

まず考えるべきは、イニシャルコストとランニングコストという支出となる部分です。最初にかかるイニシャルコストとして、場所をレンタルするのであれば敷金・礼金や保証金、それから机やイスなどを購入する設備費がかかります。それに加えて月々ランニングコストとして、家賃や人件費、通信費、光熱費、レンタル品の料金などがかかります。

続いては収入となる部分として料金・プラン設定や、席数等を考えていきましょう。料金・プラン設定に関しては、選択肢が多いほど利用者に良心的です。料金設定が30分単位、1時間単位となっていたり、プランとして平日の昼間だけ、夜だけ、週末だけといったものがあったりすると、利用者は自分の都合に合わせて選択できます。金額に関しては、周りのコワーキングスペースを参考にしてみましょう。近くにあるところ、同じ市区町村にあるところなどを参考にするとよいかもしれませんね。最初の料金・プラン設定は非常に重要ですので、よく調べて慎重に設定しましょう。

席に関しても、固定席や個室を設けるかどうか、フリーアドレスを何席にするかなど、様々なことを考える必要があります。フリーアドレスよりも固定席、固定席よりも個室のほうが単価を高くできますから、固定席や個室を増やしたくなる気持ちもありますよね。ですが、固定席や個室ばかりになると、もはやコワーキングスペースではなくなってしまいます。バランスよくフリーアドレスの席と固定席・個室を配置しましょう。

収益を安定化させるためには月額会員を増やすことが大切

毎月安定した収益を得るためには、月額会員を増やすことがポイントです。もちろんドロップインにおける利益も重要ですが、月によって収益がバラバラになりますよね。6月はドロップイン300人を達成したけれど、7月は10人しかドロップイン利用がなかったということもあり得ます。読みにくい収益というわけです。ですから、月額会員で安定した収益を得るというのが経営や運営において大切なのです。

経営や運営をしていく中で、後々月額会員を増やす取り組みをするかもしれません。その際は、1ヶ月の料金を下げるというのはあまりおすすめできません。そうなると、月額でもらえる金額が少なくなってしまいます。金額を下げて契約が増えればよいのですが、もし利用者が現れなければ既存の会員からもらえる金額が少なくなり、結果的に全体の収益が下がってしまうでしょう。

おすすめは、初月無料にしたり入居者キャンペーンなどをしたりする方法です。これなら最初にコストはかかりますが、月額の料金は据え置きなので、月々の収益から取り戻すことができるでしょう。

ポイント3:「場所」

最後は「場所」に関してです。物件自体の立地に関してもそうですが、集中できる場所・自分を迎え入れてくれるコミュニティのある場所といった、環境・空間という意味での「場所」も大切なポイントです。

まず、物件自体に関してですが、コワーキングスペースは人の出入りが激しくなるので店舗用物件を探しましょう。そして、必ずコワーキングスペースを始める旨を伝えてオーナーの理解を得てください。コワーキングスペースというのは認知度が高いものではありませんので、オーナーに伝えるのは大変なことではあります。写真などを使いながらコワーキングスペースの概要を説明し、どういう人がどう利用するのかといったことを伝えましょう。

立地を考えるときは利用者の視点に立って考え、アクセスのしやすいところがよいでしょう。その他、人が集まりやすく、賃料があまり高くない場所を探すことがポイントです。その際に参考になるのが、駅の乗降者数です。鉄道各社が出している、駅別の1日の乗降者数などを見れば、人が集まりやすい場所を知ることもできるでしょう。

環境や空間という意味での「場所」を考える場合、大前提として集中して作業ができる空間を演出することが最も大切となります。コワーキングスペースの利用者の多くは、集中して仕事や勉強をすることを目的としています。ですから、集中できる環境作りは最低限必要なこととなります。それを実現するためには、長時間座っても疲れにくいイスを用意したり、私語厳禁の集中スペースを作ったりといった方法があります。

それに加えて、おしゃれな空間を演出するというのもポイントです。おしゃれで人気な場所には人が集まりやすいという傾向がありますよね。仕事場も同じです。おしゃれな場所には人が集まり、人が集まる場所には情報などが集まる、そんな有益な場所であれば少し高くても利用する……といったように好循環になる可能性があります。ただ、おしゃれにしようとすると設備投資にお金がかかって収益を上げづらくもなりますし、おしゃれにしたからといって人気になるとは限りません。ですから、内装やインテリアを決めるときにはよく考えてみてください。

参考:憧れのおしゃれなコワーキングスペース特集

他のコワーキングスペースと差別化を図ることも大切

「利用してみたい」、「利用を続けたい」と思わせるには、どうしたらよいのかを考える必要があります。どう考えたらよいのか、簡単なのは他のコワーキングスペースと差別化を図ることです。他のコワーキングスペースにはないストロングポイントを作るのです。例えば、アントレプレナー(起業家)支援や、子育て支援など。その他にも、挽きたてのコーヒーを飲めるとか、雨に濡れずに行けるとか、自分の利用頻度に合わせてプランが作れるなど、様々なところで差別化できるでしょう。先ほどの3つポイントと合わせて、差別化できるところを考えてみてはいかがでしょうか。

以上、コワーキングスペースの経営や運営で押さえるべきポイントをご紹介しました。「人」、「金」、「場所」の3つが大切ということです。これからコワーキングスペースを作ろうと考えている方は、ここに紹介した内容を参考に、経営や運営について考えてみてはいかがでしょうか。

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